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神様列車

 写真撮影したり映像制作したりしているスタジオ部の森田です。

 日本には「皇室用客車」というのがあるのですよ。いきなり何やんねん、という感じですが、簡単に言うと皇族がお乗りになられる皇室専用の鉄道車両のことです。「お召し列車」とも言われます。
 特別ですが珍しくありません。海外でも色々とあります。「ロイヤル乗り物」なわけです。

 ……で、その中に「賢所乗御車」というのがあります。読み方は「かしこどころ じょうぎょしゃ」です。あります、と言うより、ありました。
 それは何やねんと言うと、神鏡つまり「八咫鏡」を輸送するために製造された鉄道車両のことです。ジャンルで言うと、これも皇室用客車ですね。
 畏れ多くも言ってしまえば「物」を運ぶ列車です。運用されたのは2回だけだったかな。確か。

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 明治時代、神鏡を京都に運ぶ必要があったために製造されたそうですが、これが調べてみると面白い。面白いって罰当たりかしら……。

 物とはいえ「神鏡」です。しかし神鏡とはいえ「物」ですから、天皇と一緒に皇室用客車に積載して運んでもええんちゃう? と考えられたそうですが、賢所にある神鏡は「皇室といえども極めて畏れ多きもの」なのだそうで、なんと天皇であっても同じ車両内に長時間あることすら、はばかられる……というレベル。
 かと言って神鏡を御料車より格下の列車に積載するのもアカンよな……となり、結果として神鏡のみを輸送するための専用車両を製造するに至ったそうです。

 おそらくですが世界で初だったかもしれない。「神様」を輸送するために造られた列車なんて。輸送なんて言い方はいけないかも。何て言えばいいんだ?

 八咫鏡なんて一般人では見ることすら許されないレベルなのに、よく寸法とか測れたよな~と思います。

 ちなみに、今はJR東日本東京総合車両センター内の御料車庫に収容されているそうです。

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